『Eresia (エレジア)』のルール&評価レビュー 学園がテーマの密告ゲーム


Eresia(エレジア)」はカードを使って成績(ポイント)を上げたり、エリア効果で他プレイヤーを密告したりするボードゲームです。

人気の「風栄社(Domina games)」の作品で、2020年12月に発売された「Diletto(ディレット)」とストーリーの繋がりがあります。

お手軽でコンポーネントが素晴らしい、密告がやみつきになるゲームです。

商品名
Eresia
プレイ人数
2〜5人
プレイ時間
10〜20分
価格
2700円
対象年齢
8歳以上

ジャンル
ブラフ、エリア移動
デザイナー
EINO
イラスト
巻羊、ど〜ら
メーカー
Domina Games
発売時期
2020年

Eresia(エレジア)のお勧めな点

ポイント!カードやボードを使うゲームは複雑なものが多いですが、エレジアはルールがシンプルでお手軽にプレイできます。

手札に鍵がある場合、気付かれずにどうやって廃墟まで移動するか、密告されないか……とドキドキします。短時間で終わるためプレイに失敗しても気になりません。

特にボードが綺麗で見た目も楽しいため、ボードゲーム初心者やお手軽にボードゲームを楽しみたい方にお勧めのゲームです。

Eresia(エレジア)の概要と目的

Eresia(エレジア)は各エリアを移動しながら、手札のカードやエリアボードの効果をうまく使って成績(ポイント)を稼いでいくゲームです。

効果のあるカードを使って成績を上げたり、

エリア効果で様々なアクションが行えます。

「計画」や「密告」などを使い効率良く成績を上げて他のプレイヤーより先に成績を10点にすることが目的です。

密告の駆け引きが面白い!

このゲームでは各エリアでしか使えないカードがあるのですが、森や廃墟では「FORBIDDENカード」という強力なカードが使えます。




こんなカードをバンバン使われたらすぐにゲームが終わるため、それを阻止する方法としてエリア効果に「密告」が用意されています。

「密告」はうまくいけば複数のFORBIDDENカードを捨てさせたり、相手の成績を下げて自分の成績を上げたりできます。

密告されるリスクを犯して廃墟に移動するか……怪しい動きの人を密告するかどうか……といった密告や廃墟を絡めた駆け引きがゲームを盛り上げてくれます。



Eresia(エレジア)の準備

生徒カードの選択

5枚の生徒カードから1枚選んで、対応した色のコマ(ポーン、マーカー、キューブ)を受け取ります。生徒カードの背景がコマの色と対応していますが、少し分かりづらいです。

キャラに特殊能力の設定はないので、好みで選んで下さい。個人的にはサリーが人気あるのかなと。自分は箱の表紙にもなっているラティでよくプレイしています。





サリーちゃん胸おっきぃ……

エリアボードの準備

エリアボードは5つに分割されて箱に収まってます。この5枚のボードをつなげてフィールドを設置します。

プレイしやすいように分厚い作りで素晴らしい……

エリアボードは左から学校、図書館、街、森、廃墟の順番でつなげます。右のボードに行くほど雰囲気が怪しくなります……。

コマの配置

ボーリングのピンみたいなコマ(ポーン)は各プレイヤーの現在いるエリアを示します。最初はエリアボードの図書館にポーンを置いて下さい。

丸いコマ(マーカー)は各プレイヤーの得点を示します。生徒カードが得点ボードにもなるので、「0」の数字にマーカーを置いて下さい。

四角いコマ(キューブ)はゲーム中の「計画」という行動に使用するので手持ちにして下さい。1人3つまで配置可能です。

カードの配布と山札の設置

カードをシャッフルして各自4枚引き、残りは山札にすれば準備完了です。ジャンケンなどで最初の手番プレイヤーを決めて下さい。

Eresia(エレジア)のルール

各自、自分の出番がきたら、
行動フェイズ → 移動フェイズ → 手番終了
の順に行います。

行動フェイズ

「計画」、「活動」、「エリア効果」、「パス」の4つの中からどれか1つを実施します。

①計画

自分が今いるエリアの対応カードを手札から1枚、皆に公開して裏向きで捨てます。カードを捨てるだけでカード効果は適用されません。

その後、今いるエリアにキューブを設置して、山札からカードを1枚補充します。同じエリアに置けるキューブは1つだけです。

「計画」を行うことで後のカード使用時に成績を上乗せすることができます。詳しくは「活動」の項目で説明します。

②活動

手札から今いるエリアで使用できる活動カードを1枚使用します。カード使用後、山札からカードを1枚補充します。

カードの補充は忘れがちなので、注意して下さい。このゲームでは密告されて手札を捨てない限り、手札は常に4枚以上になります。

「計画」してキューブがある場合

カード使用時、今いるエリアにキューブが設置されている場合、カード効果に追加で成績+1点できます(2倍ではないので注意)。

その後、キューブを回収するとさらに成績+1点です。回収せずに次のターンでキューブによる+1点を狙うこともできます。


鍵の特殊勝利条件

廃墟で鍵を捨てて計画した後、再度鍵を使用した場合……なんと、その場で勝利となります!

このゲームでは密告があるため、この条件を達成するのは中々難しいですが、できるとやってやった!感が出て気持ちいいです。

③エリア効果

自分が今いるエリアボードに書かれた効果を使用します。エリアによって効果が違うため、うまく使い分けて下さい。







④パス

行動フェイズで何もしないことです。このゲームでは手札が悪くてもエリア効果が使えるためパスすることはほとんどありません。

移動フェイズ

自分が今いるエリアの左、または右のエリアに移動できます。今いるエリアにいたい場合、移動しないことも可能です。

密告システムについて

このゲームの醍醐味である密告について説明します。学校のエリア効果で密告を行うことができます。

いわゆる先生にチクるというやつですね。これをやられたプレイヤーは手札を公開してFORBIDDENカードがあった場合、全て捨てる必要があります。






禁断のFORBIDDENカード達……

しかも、その中に鍵のカードがあった場合、密告した人は成績+2点、密告を受けた人は成績-1点された上に図書館に連れ戻されます。

密告を行ったプレイヤーはFORBIDDENカードの有無に関わらず図書館に移動します。忘れやすいので気を付けて下さい。

成功すれば手札を捨てさせた上に成績を得られるので、かなり強力な行動です。失敗しても相手の手札を見ることができます。禁断の廃墟を目指すプレイヤーがいた場合、すぐに密告しましょう。

ゲームの終了条件

プレイヤーの誰かの成績が10点になった時点でゲーム終了です。10点に到達した人の勝利になります。

誰よりも早く良い成績を収めたプレイヤーは選んだ生徒カードのエンディングを見ることができます。Eresia(エレジア)の生徒カードの裏にはエンディングが書いてあるので、彼女達が学園を卒業後どうなったのか確認して下さい。

普段は見えないように裏が色付きのスリーブに入れておくことをお勧めします。こういうストーリーはゲームの世界観を楽しめて良いですよね。ニクイ演出です。

鍵で特殊勝利した場合


「活動」の項目でも説明しましたが、鍵を捨てて「計画」を行い、再度鍵を使用したときは特殊勝利となります。その場合、エンディングはカードの裏ではなく説明書の末尾にあるエンディングを見て下さい。



Eresia(エレジア)の関連作品

続編が「Diletto(ディレット)」と「Brigare(ブリガーレ)」になっています。ただ、ゲーム内容は異なるため、混ぜて遊ぶことはできません。

世界観と物語は3作に関連があるため、各々プレイすると楽しめると思います。それぞれの作品のレビューも良ければ参考にして下さい。

Eresia(エレジア) のゲームマット

箱の表紙絵にもなっている「ラティ」のゲームマットです。気が付かなかったですが、廃墟の扉の前にいたんですね。

Eresia(エレジア)にお勧めな
スリーブ

Eresia(エレジア)のカード数

・「生徒カード」 :5枚
・「活動カード」: 36枚

カードサイズと注意点

エレジアのカードは「63mm×89mm」のレギュラーサイズです。ただ一つ注意点があります。

エレジアのカードを全てハードタイプのスリーブに入れるとエレジアの箱に収まらない可能性があります。自分はソフトタイプのスリーブに入れていて若干余裕あるくらいなので、ハードタイプだときついかと。スリーブに入れる方は良く確かめて購入して下さい。

お勧めのスリーブ

お勧めのスリーブはソフトタイプならエポック社のスリーブ「66mm×92mm」です。

エポック社 カードスリーブ(ソフト) 110枚入

箱など気にせずハードタイプに入れたい方はホビーベースのスリーブ「66mm×91.5mm」がお勧めです。

▼ホビーベース T.C.G.ハード 50枚入

生徒カードは裏が色付きのスリーブに入れると、エンディングを隠せます。色付きのスリーブはアンサーのトレカプロテクト「66mm×91mm」がお勧めです。下のリンクは黒ですが、様々な色のタイプがあります。

▼アンサー トレカプロテクト(ハード) 60枚入

また、「Domina Games」からエレジアの生徒達がスリーブとなって販売されます。絵は生徒カードと同じですが、エレジアのカードに使うとさらに愛着が湧くと思います。
サイズは「67mm×92mm」です。生徒5人それぞれのスリーブがあるので、お好みのキャラのスリーブを購入して下さい。



Eresia(エレジア)のレビュー

学園の雰囲気が楽しい


とにかくコンポーネントが良くできていて、見ているだけで楽しくなります。見た目が綺麗なため、初心者の人も取っ付きやすいと思います。
凝ってる割にはコンパクトに収まるため、持ち運びしやすいのが嬉しいです。

密告の駆け引きが面白い


密告と鍵と廃墟の関係が良くできています。鍵が手札にあるとき、廃墟を目指すかリスク回避で捨ててしまうか悩ましいです。密告をしようと学校に行ったら、鍵を渡されて逆に密告におびえる羽目になったり。

地道に成績を上げることもできますが……やりたいですよね!鍵で計画して特殊勝利!ついついロマンを追い求めて密告されてしまいます。

最後に


構成がシンプルなので今後の拡張次第で戦略性を上げたり、密告の博打性を上げたり、ゲーム性を変えることが可能だと思います。個人的には戦略の幅が広がる拡張が出れば、すぐに買っちゃいますね。

見た目が綺麗でボードの完成度が高いため、雰囲気を味わいつつ、皆でのんびりプレイするのがお勧めのゲームです

メリット
・ルールが簡単でさっと遊べる
コンポーネントが綺麗
・密告が分かりやすく盛り上がる

デメリット
・若干運要素が強い
・カードによるコンボは少なめ




「エレジア」が気になる人は同じ販売元の「Domina Games」から発売している「ミラリス」、「ディレット」もお勧めです。