『Diletto(ディレット)』のルール&評価レビュー 代償は他人に払わせろ!悪戯カードの駆け引きが楽しいゲーム


Diletto(ディレット)」はカードを使う際のコストにカードをめくり、3枚目の悪戯カードを引いた人がペナルティを受けるチキンレースの要素を含んだボードゲームです。

風栄社(Domina games)」の作品で、ストーリーは2020年7月に発売された「Eresia(エレジア)」の続編で今回は指輪と悪魔がテーマです。

お手軽にサクッとプレイできて、皆で盛り上がれるパーティーゲームです。

商品名
Diletto
プレイ人数
2〜5人
プレイ時間
10〜20分
価格
2700円
対象年齢
8歳以上

ジャンル
チキンレース、リスク
デザイナー
EINO
イラスト
巻羊
メーカー
Domina Games
発売時期
2020年

Dilettoのお勧めな点

ポイント!ディレットはゲーム性やルールが分かりやすく、短時間でプレイ可能なボードゲームです。

場に2枚の悪戯カードがあるとき、誰がペナルティの3枚目を引くのかドキドキ……そして、3枚目の悪戯カードが出たときは、わっ!と皆で盛り上がれます。

見た目が可愛くてお手軽にできるため、ボードゲーム初心者や重量級ゲームの合間にできるゲームをお探しの方にお勧めです。

Dilettoの概要と目的

Diletto(ディレット)は手札の効果カードやセンス(コスト削減)をうまく使って、ペナルティを受けないように勝利点を獲得するゲームです。

手札の願い事カードには様々な願い事が描かれていて、使用すれば効果を発動するだけでなく勝利点も獲得できます。

ただし、願い事カードを使うにはソウル(コスト)が必要です。指輪カードの山からコスト分の枚数引き、「悪戯」が場に2枚以下ならカードを使用できます。

コストが3で指輪カードを3枚引きます

3枚目の「悪戯」を引いた人はカードを使えず、代わりにペナルティカードを受け取ります。

ペナルティを受けると願い事カードが使えないため、ペナルティを回避しながら勝利点の合計を一番高くした人の勝ちとなります。

「悪戯」の駆け引きが面白い!

場に「悪戯」が2枚出たら指輪カードを引くのは危険です。皆が引いた「悪戯」は3枚目を誰かが引くまでリセットされず、場に残り続けるためどんどんリスクは上がります。

センス(コスト削減)やコスト0のカードなどを駆使して、他の人に3枚目を引かせてペナルティを受けさせましょう。

ペナルティはしばらくは「警告」で済みますが、最後は「魂の代償」というカードです。「魂の代償」をもらった人はいくら勝利点が高くてもその時点で負けになります。

最後は悪魔に代償として魂を捧げます……

コストの高いカードで勝負に出るか、ペナルティを避けてコストの低いカードを使うか、見極めが重要です。特に「悪戯」の3枚目を巡る駆け引きはゲームを盛り上げます。



Dilettoの内容物

  • 説明書:1部
  • 生徒カード:5枚
  • 願い事カード:60枚
  • 指輪カード:48枚
  • ペナルティカード:5枚
  • 真紅の野心:5枚
  • マーカー:5個

Dilettoのカードの種類

ディレットにはカードが合計123枚入っており、カードの種類は大きく分けて5種類あります。カードの裏面を見て区別して下さい。

それぞれのカードについて詳細を説明します。

生徒カード

プレイヤーの分身となるカードです。「0〜6」までの数字が左側にあり、「センス」の数を表しています。「センス」は2ポイント消費して「ソウル(コスト)」を1枚分下げる事ができます。

生徒カードは前回作のエレジアのキャラクターと同じです。相変わらずサリーは可愛いですね。ベルケは探偵っぽい服装から可愛らしい洋服姿に変わってギャップを感じます。






ベルケがすごく可愛くなってる……

エレジアをプレイしていた方は成長した彼女達を見ると感慨深いと思います。拡張ではなく別ゲームでストーリーが続いているボードゲームは珍しいですね。

















願い事カード

願い事カードには様々な情報が書かれています。願い事カードは効果カードとしての役割だけでなく、勝利点も兼ねています。

願い事カードはゲーム中にカード効果で「アップグレード」できるものがあります。カードを横向きにし、アップグレードすると勝利点が元々の点数よりさらに高くなります。

ゲーム中に他の人のカード効果でアップグレードする事もあるので、アップグレード後の勝利点が高いカードは率先して使いましょう。

指輪カード

願い事カードのソウル(コスト)の分、引くカードです。「Safe」と書かれた「精霊」と「Oops」と書かれた「悪戯」の2種類あります。

指輪カードは裏向き、表向きのカードのどちらもゲーム中に枚数を確認できます。「Oops(ウップス)」は「しまった」、「やっちゃった」など小さいミスをしたときに使われる言葉です。

ペナルティカード

3枚目の悪戯カードを引いたときに願い事カードを使用できない代わりにもらうカードです。「警告」と「魂の代償」の2種類あります。

「警告」は勝利点はないですが、センスを「1」得る事ができます。ペナルティカードという名前ですが、メリットもあります。

2人プレイの場合、「魂の代償」をもらうと勝利点が「-4」されます。3人以上の場合、「敗北」になります。「警告」と違いデメリットが大きいため、
「魂の代償」は獲得しないようにしましょう。

真紅の野心

得点計算時に手札の「ソウル」が「3」のカードを最も多く持つ人が「真紅の野心」を受け取ります。
「真紅の野心」は勝利点「3」になります

「真紅の野心」で逆転もあり得るので重要です。

Dilettoの準備

生徒カードの選択

5枚の生徒カードから1枚選んで、対応した色のマーカー(丸いコマ)を受け取ります。生徒カードの左側のふちの色がコマの色と対応していますが、少し分かりづらいです。

エレジアと同じくキャラに特殊能力の設定はないので、好みで選んで下さい。

センスの設定

「センス」の初期値は3人以上なら「2」で、2人用プレイの時だけ「0」にします。マーカーを置いて、「センス」がいくつか分かるようにして下さい。

願い事カードの配布と設置

願い事カードをよく混ぜて各自4枚ずつ配ります。残ったカードはデッキとして場に置いて下さい。後から引いていきます。

指輪カードとペナルティカードの準備

プレイ人数に応じた枚数の「指輪カード」と「ペナルティカード」を準備します。

指輪カードはよく混ぜて場にデッキとして置いた後、1枚目の「悪戯」が出るまでカードめくり場に公開します。

このルールにより、早くも1ターン目から駆け引きが始まります。

ペナルティカードは皆の見やすい位置に、表向きのまま置いて下さい。

真紅の野心を設置

真紅の野心を表向きのまま場に置きます。 得点計算時に使用するだけなので重ねて置いても構いません。

最初の手番プレイヤーを決める

ジャンケンなど適当な手段で最初のプレイヤーを決めて下さい。ゲームに不慣れな人から始めるのもアリです。以上で準備は完了です。



Dilettoのルール

ディレットの手番は以下のように進めます。

①使用する願い事カードを宣言する

手札のカードから1枚選択して、使用することを宣言します。この時、「配置後」と書かれている効果はまだ処理しません。

「つつましさ」の効果は「カード使用宣言後」のため宣言後に効果が発動されます。

願い事カードは「配置後」、「カード使用宣言後」、「センス宣言後」、「得点計算時」と効果の発動タイミングが異なるため、注意して下さい。

②センスを消費するか宣言する

センスを使用する場合は何ポイント消費するか宣言します。センスは2ポイント消費してソウルを「1」削減させます。

「優雅な生活」の効果は「センス宣言後」のため、「黒い計画」を他の人に使われてソウルが「1」のままでも後からセンスによる削減はできません。

③指輪カードをめくって
処理する

願い事カードのソウルの数値分、指輪カードを1枚ずつめくります。「悪戯」が3枚になった場合でもソウルの枚数分めくります。

めくった悪戯カードと場の悪戯カードの合計枚数によって処理が異なります。

「悪戯」が2枚以下

宣言した願い事カードを自分の場に公開して置きます。カード効果の発動タイミングが「配置後」の場合は効果を使用して下さい。

間違えやすいのですが、「得点計算時」のカード効果はまだ使用しないよう注意して下さい。

「悪戯」が3枚以上

ペナルティカードを受け取って、カードの処理を行います。使用を宣言した願い事カードは効果を発動せず捨て札とします。

その後、「悪戯」を3枚捨て札にして残った「悪戯」は場に置いておきます。

ペナルティ覚悟でソウル「3」のカードを使用し、場に「悪戯」を残すことで相手にリスクを与えるという戦術もあります。

④カードを補充する

カード補充時、手札を1枚裏向きで捨てる事ができます。捨てなくても構いません。その後、手札が4枚になるまで願い事カードを引きます。

カードを1枚捨てても手札が4枚以上の場合は補充できません。手札の枚数に上限はありませんが、手札の枚数が多いとカードの入れ替えがしづらくなります。

手番の終了

左隣のプレイヤーに手番が移ります。④のカード補充を忘れがちなので、注意して下さい。

ゲームの終了条件

①〜④を繰り返してプレイヤーの誰かが「魂の代償」をもらった時点でゲーム終了です。得点計算に移ります。

得点計算

最後に得点を計算しますが、計算前にやることがいくつかあります。

得点計算時のカード効果処理

効果発動タイミングが「得点計算時」の願い事カードを処理します。配置済みの願い事カードを確認し、順番に処理して下さい。

「得点計算時」はどちらもカード枚数やセンスが必要と条件があります。最終的に効果を発動できるように条件を意識してプレイしましょう。

「真紅の野心」の獲得

「魂の代償」をもらって敗北した人以外は手札を公開します。ソウル「3」のカードを一番手札に多く持っている人が「真紅の野心」を獲得します。

ソウル」が「3」のカード枚数が同数で最も多く持つ人が複数人いた場合は全員が「真紅の野心」を受け取ります。

得点計算

敗北した人以外は各自の場に配置済みの勝利点を合計します。

計算が終わったら各々の合計得点を比較し、最も得点の高い人の勝利です。

Dilettoの関連作品

前作が「Eresia(エレジア)」、続編が「Brigare(ブリガーレ)」となっています。ただ、ゲーム内容は異なるため、混ぜて遊ぶことはできません。

世界観と物語は3作に関連があるため、各々プレイすると楽しめると思います。それぞれの作品のレビューも良ければ参考にして下さい。

Dilettoのゲームマット

箱の表紙絵にもなっている「ミカ」のゲームマットです。改めて見ると背景や小物も丁寧に描かれています。

▼ DOMINA Game Mat Diletto

Domina Games Game Mat Diletto

Dilettoにお勧めなスリーブ

Dilettoのカード枚数

カード枚数は合計で123枚です。

  • 生徒カード:5枚
  • 願い事カード:60枚
  • 指輪カード:48枚
  • ペナルティカード:5枚
  • 真紅の野心:5枚

カードサイズと注意点

ディレットのカードは「63mm×89mm」のレギュラーサイズです。ただ注意点があります。

ディレットのカードを全てスリーブに入れると箱に入らなくなります。元々カードがちょうど収まっているので、どう頑張っても入りません。

自分は箱に入れたいので、生徒カードと指輪カードのみをソフトスリーブに入れています。

少しはみ出てますがこの上にさらに説明書を置いて……


箱を閉めれば少し浮いてますが、持ち運び可能です

願い事カードは順番に引くので、多少の傷は問題ないかという判断です。スリーブに入れる方は気を付けて下さい。

お勧めのスリーブ

お勧めのスリーブはソフトタイプならエポック社のスリーブ「66mm×92mm」です。

エポック社 カードスリーブ(ソフト) 110枚入

箱など気にせずハードタイプに入れたい方はホビーベースのスリーブ「66mm×91.5mm」がお勧めです。

▼ホビーベース T.C.G.ハード 50枚入

また、公式からディレットの生徒カードの絵柄のスリーブが販売されています。ディレットのカードに使うとより見た目が美しくなります。

サイズは「67mm×92mm」です。生徒5人それぞれのスリーブがあるので、お好みのキャラのスリーブを購入して下さい。

▼Art Sleeves Collection Diletto
(※ラティは品薄でリンクは未記載です)



Dilettoのレビュー

カードが綺麗で世界観が楽しい


カードの絵柄が設定された世界観を元に作られているため、ストーリー込みで楽しめます。また、「エレジア」と世界観が同じで、前作をプライしているとより一層楽しくなります。

何気に2人や5人でもプレイ可能なのが助かります。カードが箱にコンパクトに収まるため、持ち運びしやすい所も嬉しいです。

悪戯カードのドキドキが楽しい


悪戯カードを引くときはドキドキします。自分の手番までに悪戯カード3枚目出るだろう……と思ってたら、出なくて焦るときも。

盛り上がるポイントが分かりやすく、初めてやる人もすぐ楽しめます。場に悪戯カードが2枚あるときのスリルがたまりません。

最後に


カードの種類が多くて複雑な印象を受けますが、プレイ感は軽いです。願い事カードを使い、指輪カードを引くだけなのでスムーズに進みます。

見た目が綺麗でプレイ時間も短いため、皆でワイワイとゲームを楽しみたい、初心者の方にお勧めのゲームです。

メリット
・盛り上がるポイントが分かりやすい
コンポーネントが綺麗
・短時間で決着が付く

デメリット
・カード運が勝負に影響する
・リードされたら逆転しにくい



「ディレット」が気になる人は同じ販売元の「Domina Games」から発売している「ミラリス」、「エレジア」もお勧めです。